JICA研修生のHome Visit
6月2日の土曜日、JICA(独立行政法人・国際協力機構、Japan International Cooperation Agency)の研修生を招待した。
日本の国やその文化、習慣を知ってもらい、彼等の国を理解する、国際交流活動をした。 今回、私の家に招待したのは、2人の男性で、ハイチ共和国のEmmanuelさんとチュニジア共和国のSoussiさんであった。 彼等は、知的財産権を勉強をするため日本に来ていた。 いずれも役人であった。特に、Emmanuelさんは、ハイチ共和国で地位の高い役人のようであった。 Emmanuelさんは44歳の男性、結婚していて、子供が2人いた。女の子と男の子でどちらも可愛く、写真を見せてもらった。上の女の子は12歳だと話していた。 Soussiさんは39歳の男性、同じく結婚していて、子供が2人いた。彼は晩婚で、子供は1歳と3歳、まだ、小さい子供だと話していた。 今回のHome Visitとでは、家内と話し合って、以下のようなスケジュールを立てた。 2人でJICAセンターまで迎えに行く。夫婦一緒に知り合いになって、速くコミュニケーションを深める。 家に来てもらった折、先ず、お茶をする。紅茶とケーキを楽しみながら、音楽を聴いたり、映像を見たりしてお話をする。お互いの信頼関係を作る。 その後、近くにある「神峯山・大門寺」まで歩いて行く。その途中、日本の自然や植物を味わってもらう。 帰宅してからは、夕食に日本の鍋料理の「おでん」をご馳走する。料理の内容の話、箸の持ち方、お茶のいただき方、お互いの国の話などを楽しむ。 最後に、インターネットを利用して、Wikipedia(ウキイペディア)を検索して準備した資料を使って、1人ずつ両国の紹介をしてもらう。 なかなか、緻密な計画を立てた。 初めの紅茶とケーキの際、2人は「緑茶」を選択した。予想外で、眼を丸くする思いであった。 我々の意識では、緑茶は和菓子だと考えていて、ちょっと予想を外された。彼等は緑茶を好んで飲んだ。 多分、日本の緑茶は、彼等にとって美味しい飲み物だったのだろうと結論された。 私は、オペラ鑑賞が趣味だったので、彼等にも3大テノール、「パバロッチ」、「ドミンゴ」、「カレラス」のオペラ鑑賞を紹介した。 パリで行われた1998年のFIFAワールドカップ前日の「3大テノールのコンサート」を観てもらった。 結果的に、オペラ鑑賞よりは、ポピュラーミュージックの方が好みであった。 初対面からさほど時間が経たなかったが、私達家族とJICA研修生とのコミュニケーションは、思ったよりも速く出来上がった。 お互いに短時間で気さくになり、国や自分達のことを楽しく話していた。 地理的な位置は、日本を境にチュニジアは左側(西側)、ハイチは右側(東側)にあり、左右に別れている。 チュニジア共和国はアフリカの上方にあり、隣国はアルジェリア民主人民共和国と社会主義人民リビア・アラブ国である。 ハイチ共和国は北アメリカと南アメリカの間にあり、隣国はキューバ共和国やドミニカ共和国である。 Soussiさんが、「7月21日に研修が終了すると、私達は右と左の国に、別々な方向に飛び立ちます。」と面白く話を切り出した。 Soussiさんの話は、何時も冗句を交えた上手な話し振りだった。 こんな冗句も言った。 Soussiさんの国では、自分のことを指す時、手のひらで胸を叩いて、「me、me」と言う。しかし、日本人の場合は、鼻の先を人指し指で押して、「me、me」と言う。 だから、日本人の鼻は低く、横に広がっていると話した。 また、指で数を数える時、日本人は親指から、人差し指、中指、薬指、小指と、指を折り曲げて数える。しかし、チュニジアの場合は、親指を立て、人差し指を立て、中指を立て、薬指を立て、小指を立てる。 日本とはまったく逆だと話した。凄い観察力である。 四季や気温について話をした。 日本は四季があり、春は4月~6月、気温は17~20度、夏は7月~9月、気温は25~35度、秋は10月~12月、気温は18~20度、冬は1月~3月、気温は5~10度と私が説明をした。 Soussiさんがチュニジアについて話した。 ホット・シーズン(3月~8月)とクール・シーズン(9月~2月)の2シーズンである。春は3月~5月、気温は20度、夏は6月~8月、気温は35~40度、秋は9月~11月、気温は8~10度、冬は12月~2月、気温は20度と説明した。 Emmanuelさんがハイチについて話した。 ホット・シーズン(3月~2月)だけの1シーズンで、春は3月~5月、気温は25度、夏は6月~8月、気温は35~38度、秋は9月~11月、気温は32~35度、冬は12月~2月、気温は25度と説明した。 チュニジアは2シーズンで、秋以外は20度を越し、夏は40度ほどもある暑い国だということが分かった。 一方、ハイチは1シーズンで、一年中、気温が25~30度の暖かい国だということが分かった。 面白い発見があった。春、夏、秋、冬の月の数え方が、日本とチュニジア、ハイチと比較すると、彼等の国では1ヶ月早く設定されている。 この点は大切である。彼等の国の設定は陰暦に相当する。陰暦の方が、人の生理や動物や植物の営みとよく合致する。 日本も、明治時代までは、陰暦を使って生活をしていた。 このようなことを知ると、その国の自然、そこでの動物や植物の姿、ヒトの生活スタイルなどがイメージされる。沢山の情報を含んでいる。 言葉が分からない時、絵や表を紙に書く「筆談」がとっても役立った。 チュニジアやハイチは、いずれもフランス共和国に統治されていた。フランスの植民地であった。チュニジアは1956年に、ハイチは1804年に独立した。 両国とも、フランスの植民地として辛い経験をした時代があった。こんな話もした。 3時から5時まで大門寺へ散策した。 家に居るのとはまったく違った気持である。自然の中で、綺麗な空気に包まれながら、お互いに会話を楽しむ。別世界である。 彼等は自然が好きで、さらに気分よく話していた。大門寺までの途中は、ゴルフ場の中の道路を通過する。中高年のゴルフプレーヤーが、楽しくプレイしていた。ゴルフの話もした。 プレイしていた中年の女性が英語(スペイン語?)で話し掛けてきた。外国語が出来るので、外国人が来ているのを観て、コミュニケーションがしたかったのか?と思った。 Soussiさんが、私に「蛇が出ないか?」と質問した。彼は、多分、国の「毒蛇」を想像していて、危険性を感じている様子であった。 日本には、「ハブ」以外には危険な蛇はいないことを説明した。 大門寺は、古い、日本独特のお寺である。この時期、新芽が萌え出た紅葉が美しい。庭の苔も青々としていて、心が癒される。 彼等も、初夏の新緑、木漏れ日、新鮮な空気を味わいながら、気持ちよく、癒されている様子であった。ここに来て良かったと思った。 外に出て、歩きながら自然の営みを味わうのは、とても大切である。 ゆっくりとした時間を共有しながら、お喋りを楽しんだ。私達のコミュニケーションは益々深まった。 夕食の「おでん」についても、色々な想い出ができた。 Soussiさんはアラブ人なので、お肉とお酒はご法度である。野菜と魚の食べ物を選んでもらった。 Emmanuelさんはクリスチャンなので、何でも食べてもらった。私は糖尿病と痛風がある。 結局、夕食はアルコールなしの食事となった。 2人とも箸が使えない事を知った。しかし、箸を使って食べているところの写真撮影がして置きたいらしく、2人の箸を使っての様子を写真撮影した。でも、箸の持ち方は上手く出来ていない。 彼等はナイフとフォークとスプーンを使って、おでんを食べてもらった。 夕食を楽しんだ後の、最後のパソコンを使った、チュニジア共和国とハイチ共和国のプレゼンテーションは、とても楽しかった。 2人とも、慣れていて興味深く、冗句を入れて話し、本当に上手に自国を紹介した。プレゼンテーションの後、両人とも「Am I a good student ? 」と聴いたので、「Very good」と答えて、みんなで大笑いをした。 JICAの研修生を迎え、「有意義で、楽しい国際交流活動」が出来た。 また、このような機会があれば、楽しみたいと思った。家内も大変であったが、満足感を味わっている様子であった。 こうちゃん
by kouchan-life
| 2007-06-13 04:40
| 国際交流
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